7月26日午前11時ごろ,調布市富士見町1丁目の住宅密集地に,調布飛行場より飛び立った小型プロペラ機が墜落,民家3棟,車2台が炎上し,民家の女性を含む3人の方がなくなるという痛ましい事故が発生しました。
事故により無くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに,被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
調布飛行場は住宅密集地と隣接した場所にあり、昭和55年には小型機が調布中学校の校庭に墜落する事故が起こりました。
調布市はこうした危険がある飛行場を存続させることを認める条件として、有視界飛行、離発着回数の制限、遊覧飛行の禁止、航空管制官の配置を存続するなど、27項目の受け入れ条件の協定と覚書を東京都ととりかわして、飛行場の運用を厳しく制限しました。
日本共産党調布市議団はこれまで、基本的には調布飛行場の移転を目指しながら、上記の27項目の受け入れ条件の順守を繰り返し求めてきました。
しかしながら、飛行場まつりにおける体験飛行と称する遊覧飛行、航空管制官の撤退、計器飛行の導入など、今日に至る運用の実態は、この協定に反するものと言わざるをえません。
危険性についての認識が風化させられていくなかで、7月26日、調布市内の住宅地に自家用機が墜落し、住民が犠牲になるという最悪の事態がおこったのです。
今回の事故は、調布市も東京都も、住宅密集地に隣接した飛行場の運用にあたっては、住民の安全と騒音被害を軽減するために、その利用を制限するという原点に立ち返るべきであることを示しています。
以上の点に鑑みて下記、東京都に対して強く要望するものです。
- 事故原因の徹底究明と安全対策の抜本的強化。
- 一部メディアの報道によると、調布飛行場では観光目的であっても「慣熟飛行」として届け出ることが「定着」しており、「空港側も黙認している」(朝日)。飛行目的を「慣熟」としたことについて、「調布飛行場からそのように書くように指導されている」(TBS系JNN 27日11:10)などと言われているが、これらが事実であるならば看過できない問題である。徹底した事実の究明と抜本的な規制の強化を求める。
- 27項目の受け入れ条件、覚書で確認されていることを厳守すること。
- 自家用機の離発着を禁止。
- 10月の飛行場まつりを自粛するとともに、体験飛行は中止すること。
- 管制官の再配置をすること。
- 住宅密集地にある調布飛行場の閉鎖をめざし、伊豆離島などと結ぶ飛行場の確保をすすめること。
- 被害住民に対しての最大限の保障と支援を行うこと。
- 飛行場及び事故近隣の住民に対しての支援、例えば、事故による心的ストレスなどに対しての支援に取り組むこと。近隣の保育園、学童クラブなどの施設、小中学校の児童生徒に対する心理的ケアを実施すること。
以上
2015年7月29日
日本共産党調布市議会議員団
雨宮幸男
井樋匡利
岸本直子
武藤千里 |